セレンというのは体内に１０ｍｇ程度しかないミネラルです。水銀やヒ素、カドミウムなどの有害物質の毒性を弱める働きもあるそうです。
セレンを含むどじょうでつくられた作物には、セレンの含有量が多いようで、セレンが豊富ということで、日本人は一般的に穀物や魚介類から十分な量を摂取しているといわれています。
人間のからだというのは、常に活性酸素からの攻撃を受けています。細胞を構成する細胞膜には不飽和脂肪酸が含まれているそうですが、不飽和脂肪酸は活性酸素によって酸化されやすいとのことです。
酸化すると過酸化脂質になります。この過酸化脂質は、細胞を老化させてしまいます。セレンというのは過酸化脂質を分解する抗酸化酸素の重要な成分で、酸化によって起こる老化や動脈硬化を予防してくれるようです。
セレンはプロスタグランジンの構成成分としても重要です。プロスタグランジンというのは、血圧のコントロール、血小板の凝集阻害、筋肉の収縮などに関わるホルモン様物質です。セレンというのは筋肉の収縮に関与しているそうで、不足してしまうと、心筋が弱くなってしまうのだといいます。
また、筋力の低下も起こってしまうらしく、動脈硬化やがんの発症リスクも高まるようです。セレンはワカサギやホタテなどの魚介類や穀物、野菜に多く含まれています。日本では通常の食生活で十分に摂取することが可能です。
セレンというのは単独でも抗酸化作用が強く、ビタミンCやEと一緒に摂取することで、さらに強い抗酸化作用が期待できるそうです。
過剰に摂取すると、吐き気や肌荒れ、脱毛などの中毒症状を引き起こすケースもあるようです。