ブータンに興味を持った理由の1つに、その国土の7割ほどが森や林に囲まれ、亜熱帯から寒帯の地域が広がる国内には、豊かな植物が茂り、多くの薬草がみられると聞いたからです。ブータンに広がる豊かな自然に広がる植物の6割ほどは、国有種に値するそうです。
ブータンは、世界にオンリーワンと言うに相応しいほど、オリジナリティーに溢れた王国なのです。その国土には、豊富な薬草に恵まれ、多種多様なキノコの聖地とも聞いたので、もしかしたら幻の聖草と呼ばれる「冬虫夏草」にも出逢えるのではないかと考えたのです。「冬虫夏草」は、幻の聖草などと呼ばれることもありますが、実際は「キノコ」です。古くから、人々の間では珍重されてきた生薬の1つではありますが、その姿の半分は、昆虫の姿をしております。「キノコ」の胞子が、昆虫の内部に入り込む事で、生きている昆虫の体内で菌糸を増やし、昆虫を埋め尽くしてしまうのです。
私達は、そのように育まれた菌糸を、きのこの一種「冬虫夏草」として漢方などに取り入れ、人々の健康促進や治療薬として珍重してきました。天然の動植物や鉱物を組み合わせ、古来から人々の生命を支え続けてきた、「冬虫夏草」をはじめとする生薬たちの姿を、ブータンの地で見てみたかったのです。
ブータン王国では基本、【Free-医療】であるらしく、ブータン国民は、特別な治療を受ける以外では、原則として、無料で医療を受けることができるのだそうです。また、ブータンの地を訪れる観光客たちも、滞在時の公定料金として観光料を納める事で、無料で医療を受ける事が出来るのだそうです。ブータンでは、古くからチベット医学が根付いています。
恵まれた国土に豊富に生い茂る薬草たちが、古来から現代に至るまで、人々の健康とともに、その伝統を守り続けているようにも感じます。人々が豊かな森や森林に守られている王国、ブータンに憧れを抱いております。